富士霊園は静岡県駿東郡小山町に位置する広大な墓地であり、昭和初期に開設され多くの人々の供養の場として利用されてきました。少子高齢化の影響もあり、今後お墓を管理できなくなるご家族もいるようです。そのため富士霊園の墓じまいの費用はいくらかかるのか気になる方も多いでしょう。そこで今回は富士霊園の墓じまい費用について詳しく説明していきます。
墓じまいとは?
墓じまいとは既存の墓地から遺骨を取り出し、新しい場所に移すことを指します。この手続きには改葬と永代供養の2つの主要な方法があります。改葬は遺骨を別の墓地に墓石を移すことを意味し、永代供養は遺骨を共同墓地や寺院に安置し永続的な供養を受けることを指します。
改葬を行う理由には家族の移住や墓地の老朽化、墓参りの困難さなどがあります。一方で永代供養は、後継者がいない場合や子孫に負担をかけたくない場合に選ばれることが多いです。どちらの方法も遺族が安心して供養を続けるための選択肢となっています。どちらの方法も正式な手続きを踏むことで、法的に適切な供養が行われます。
墓じまいの流れとして、行政手続き、閉眼供養、墓石の撤去、永代供養などがある
墓じまいのプロセスは、いくつかの重要なステップで構成されています。まず最初に行うのは行政手続きです。遺族は改葬許可申請書を提出し、改葬許可証を取得する必要があります。これにより遺骨を正式に移動させるための法的な許可が得られます。
次に閉眼供養を行います。これは現在の墓地で遺骨を取り出す前に行う儀式であり、遺骨に対して最後のお別れと感謝を示すものです。閉眼供養は僧侶や神官によって行われ、家族や親族が参加します。
その後、墓石の撤去作業が行われます。これは専門の石材業者が行い、墓石の解体と搬出、そして墓地の清掃が含まれます。墓石の撤去には費用がかかり、墓地の状態や墓石の大きさによって異なります。
最後に永代供養の手続きを行います。遺骨は新しい場所に移され、共同墓地や寺院で永続的な供養が行われます。永代供養の契約には供養料や管理費が含まれ、遺族が安心して供養を続けられるようにサポートされます。この一連の流れを経て墓じまいが完了します。
富士霊園の墓じまいの費用はいくらかかるのか?
墓じまいを考える際、多くの方が気にされるのがその費用です。富士霊園での墓じまいにかかる具体的な費用はどれくらいなのでしょうか?墓じまいの費用には改葬手続きや閉眼供養、墓石の撤去、新しい供養先の選定などさまざまな要素が関わってきます。どれくらいの予算が必要なのか具体的に確認してみましょう。
行政手続きに必要な「埋蔵証明」には発行手数料として税込み1100円かかる
墓じまいを行う際には「埋蔵証明」の発行が不可欠です。この証明書は遺骨が正式に埋葬されていることを証明し、改葬手続きを進めるために必要です。まず富士霊園の管理事務所または東京事務所に連絡を取り申請書を受け取ります。申請書には遺骨の情報や申請者の情報などを記入してから提出します。
埋蔵証明の発行には発行手数料が税込みで1100円かかります。代行で取得することもできますが、その場合は税込み5500円が必要になります。この手数料は証明書の発行に必要なコストをカバーするものであり、申請者が負担します。この証明書を持って小山町役場に提出し、改葬許可証を取得するための重要な書類となります。手続きがスムーズに進むように必要な書類や手数料を事前に準備しておくことが大切です。
閉眼供養の費用はお坊さん手配(僧侶派遣)を含めて3〜5万円(税込)
墓じまいの際には閉眼供養が必要になります。これは遺骨を取り出す前に行う儀式で「魂抜き」とも呼ばれ、遺骨に感謝と最後のお別れを示すものです。この儀式は通常、僧侶を招いて行われ家族や親族が参加します。閉眼供養を行うためにはお坊さんの手配が必要であり、その費用は3〜5万円(税込)程度が一般的です。
この費用には僧侶の派遣料やお布施が含まれます。閉眼供養の費用は儀式の内容や僧侶の宗派によっても異なる場合がありますが、適切な費用を用意して行うことが求められます。遺族が心を込めて閉眼供養を行うことで遺骨に対して感謝の気持ちを伝え、次のステップである墓石の撤去や改葬に進むことができます。
墓石の撤去費用は1平米辺りおよそ10〜20万円が相場
墓じまいの際、墓石の撤去は重要なステップです。墓石の撤去作業は専門の石材店に依頼するのが一般的で、撤去費用は1平米あたりおよそ10〜20万円が相場です。費用は依頼する石材店や墓石の大きさ、場所によって異なることがあります。撤去作業には墓石の解体、搬出、墓地の清掃が含まれます。墓石の大きさや材質、墓地の状態が異なる場合、費用も変動します。
適切な石材店を選び見積もりを依頼して詳細な費用を確認することが重要です。信頼できる石材店を選ぶことで、撤去作業がスムーズに進みトラブルを避けることができます。撤去後の墓地は清潔に整えられ、遺骨の改葬や永代供養に進む準備が整います。
富士霊園内の共同墓地を利用する場合、入会費33万円が必要
富士霊園には個別の墓地以外にも共同墓地として「あんしん陵墓」があります。この共同墓地は個別の墓地を持つことが難しい方や、後継者がいない方にとって理想的な選択肢です。あんしん陵墓を利用するためには、「あんしん会」という会に入会する必要があり、入会金として33万円が必要です。この入会金には永代供養の費用が含まれており、遺族が将来的に負担を感じることなく安心して利用できる仕組みとなっています。
あんしん会に入会すると遺骨は共同墓地であるあんしん陵墓に安置されます。あんしん陵墓では定期的に供養が行われ、個別の墓地と同様に尊厳を持って遺骨が扱われます。この供養は霊園の僧侶やスタッフによって行われるため、安心して遺骨を預けることができます。また共同墓地のため、管理費用や維持費用が個別の墓地に比べて抑えられる点も魅力です。
さらにあんしん会に入会することで、霊園内の他の施設やサービスも利用することができます。例えば定期的な供養祭や法要、霊園内のイベントなどに参加することができ、遺族同士の交流の場としても活用されています。これによりあんしん会の会員は霊園内でのコミュニティを築くことができ、孤立することなく遺族同士の支え合いが生まれます。
富士霊園以外の共同墓地を利用する場合は「離壇料」が必要になる
墓じまいの際、富士霊園以外の共同墓地を利用する場合には離壇料が必要になることがあります。離壇料とは現在の寺院や霊園から遺骨を他の場所に移す際に支払う費用で、寺院や霊園の維持管理費や供養料として使われます。離壇料の金額は寺院や霊園によって異なりますが、およそ5万から20万円程度が一般的です。
新しい共同墓地への改葬を希望する場合、まずは現在の霊園に離壇の意思を伝えて具体的な金額や支払い方法を確認します。遺族は寺院や霊園の管理者と事前に話し合いを行い、納得のいく形で離壇を進めることが大切です。支払いが完了すると、離壇許可証が発行される場合があり、これは改葬手続きを進める際に必要な書類です。
また新しい共同墓地には新たに使用料や管理費が発生することがあるため、事前に確認しておくことが重要です。適切な手続きを行い離壇料の支払いを通じて遺骨の移動をスムーズに進めることで、遺族の負担を軽減できます。
離壇料が高額になるケースもあり、トラブルの原因になることがある
離壇料が高額になるケースもあり、それがトラブルの原因となることがあります。離壇料とは現在の寺院や霊園から別の場所に遺骨を移す際に支払う費用であり、寺院や霊園の維持費用や供養料として使われます。しかしこの費用が予想以上に高額になることがあり、遺族にとって経済的な負担となる場合があります。
特に代々続く家系の墓地や特定の宗派の寺院では離壇料が数十万円に達することもあります。このような高額な離壇料が発生すると寺院や霊園との間でトラブルが起こることがあります。事前に離壇料の金額や支払い方法を確認し、納得した上で手続きを進めることが重要です。
その場合、専門の弁護士か墓じまいの代行業者に依頼するのが良い
離壇料が高額でトラブルが発生する場合、専門の弁護士や墓じまいの代行業者に依頼するのが良いでしょう。弁護士は離壇料に関する法律的なアドバイスやサポートを提供し、寺院や霊園との交渉をスムーズに進めることができます。一方で墓じまいの代行業者は、離壇手続きや必要な書類の手続きを代行し、遺族の負担を軽減します。専門家に依頼することで離壇料に関するトラブルを円滑に解決し、安心して墓じまいを進めることができます。
まとめ
今回、富士霊園の墓じまい費用について説明してきました。まず行政手続きとして「埋蔵証明」の発行が必要となり、手数料は税込み1100円です。次に閉眼供養のために僧侶を手配する必要があり、その費用は3〜5万円(税込)程度かかります。さらに墓石の撤去費用は1平米あたりおよそ10〜20万円が相場となっています。さらに永代供養する場合の費用がかかります。
富士霊園内にある共同墓地「あんしん陵墓」を利用する場合、あんしん会に33万円で入会する必要があります。別の霊園に納骨をお願いする場合はそこでの費用が別途必要になります。
また富士霊園以外の共同墓地を利用する場合には、離壇料が発生することがあります。この離壇料は高額になることがあり、トラブルの原因となることも少なくありません。このような場合には専門の弁護士や墓じまいの代行業者に依頼することが有効です。専門家のサポートを受けることで、適正な費用で円滑に手続きを進めることができます。
総じて富士霊園での墓じまいにはさまざまな費用がかかるため、事前に詳細な情報を収集し計画を立てることが重要です。適切な手続きと費用を把握することで、遺族が安心して墓じまいを進めることができるでしょう。